BIツールの選び方
2020年現在、有料・無料を合わせて数十種類もあるBIツール。導入しようにも、一体どれを選べば良いのかと悩まれている担当者様も多いのではないでしょうか。
BIツールには主な機能として「ダッシュボード機能」「データ分析機能」「レポーティング機能」などがあり、これらは多くのBIツールで共通していますが、それぞれ特長はBIツールごとに異なります。
自社がデータ活用において抱える課題の解決や目的にもっとも合致するツールを選んで導入するために、本コラムでは、BIツールの選定・導入に当たり知っておきたいBIツール選びのポイントをご紹介いたします。
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1.そもそもなぜBIツールを導入するのか
BIツール選びのポイントをご紹介する前に、BIツールを導入する目的がブレてしまわないよう、BIツール導入の意義を簡単におさらいしておきましょう。
経営資源といえば、昔は「ヒト」「モノ」「カネ」の三つでしたが、最近ではここに「情報」や「時間」といった無形資産が加えられるようになりました。
経営資源でいう「情報」とは、自社に蓄積されたノウハウや製造・販売などにおけるデータなどを指します。特にITの登場で業務がシステム化される中で、ビジネスにおける商品・サービスやお金の流れ、顧客の行動などのデータが生成・蓄積されるようになり、これらを分析・活用したいというニーズが生まれ、BIツールの開発につながっていきました。
BIツール導入を検討する際は、こうしたそもそものBIツール誕生の背景と、自社の導入目的を照らし合わせ、改めて「なぜBIツールを導入しようとしているのか?」、その答えを明らかにしておきましょう。
2.ツール選びを間違えるとどうなる?
前章でお伝えした通り、BIツールは経営資源の一つである「情報」を活用するために導入されます。ということは、ツール選びを間違えれば、経営資源の四大要素の内の一つが最大限に活用できなくなるということになり、経営面で大きな打撃を受けることなります。
米国の経済学者エディス・ペンローズによれば、企業の成長に限界が来る理由は、経営資源が相対的に不足するためだといいます。つまり、BIツール選びを間違えると競合他社より成長できず、競争力が下がるということになってしまうのです。
こうした事態を回避するためにも以下でご紹介するポイントを押さえ、自社に合ったBIツールを選びましょう。
3.BIツール導入前に考えるべきポイント
ここではBIツールの選び方を、5つのポイントに沿って具体的にご紹介します。
1. 明確な目的設定
目的設定については先ほどもお伝えしましたが、BIツール導入を成功させるためには導入目的を明確化することが重要になってきます。
たとえば、「競合他社がBIツールを導入したと聞いて慌てて導入した」「BIツール導入がトレンドになってきて乗り遅れたくないから導入した」といったケースでは、明確な導入目的が設定されていないため、BIツールを導入したものの結局は活用できずツールとデータの持ち腐れになってしまいます。
導入目的を明確かつ具体的にしたうえで、それがBIツール導入によって本当に実現できるかどうかをシミュレーションする必要があります。
その際に「誰が」BIツールを使うのかも併せて明確化しておくことで、導入後の効果測定が行いやすくなりツールを使用するうえで求められるITリテラシーの度合いを把握でき、選定の参考になるでしょう。
2. 分析したいデータの種類
BIツールを用いることで、さまざまな種類の膨大なデータを統合して分析できます。この強みが活きるのは、分析したいデータの種類が多岐にわたり、なおかつデータ量が多いケースです。
逆にいえば、データの種類が少なくボリュームの少ないデータしか扱わない場合は、BIツールは必要なく、Excelなどの方が適していることも多いということです。
BIツール導入に当たっては、分析したいデータの種類をリストアップし全体のデータ量も把握しましょう。
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3. 操作のしやすさ
BIツールの前身である「DWH(データウェアハウス)」は、分析する人材に求められるスキルとしてデータベース言語などの高度な専門知識が必須でしたが、BIツールはそうした専門知識がなくてもデータ活用が行えるように開発されています。
そういう意味ではどのBIツールも扱いやすいといえますが、やはりツールによって実現できる内容の専門性には差があり、専門性が高ければ操作性の複雑さも上がります。
「明確な目的設定」の項でもお伝えしましたが、実現したい目的や使用者と操作性のバランスを考える必要があります。場合によっては、データサイエンティストを配置して実運用に当たってもらうことも検討する必要があるでしょう。
4. データの見やすさ
BIツールのミッションの一つに「データの可視化」が挙げられます。
特に「ダッシュボード機能」「レポーティング機能」では、データの見やすさが非常に重要です。
「見やすさ」をうたっているBIツールは多いですが、実際にデモ画面などを見せてもらい、自社で重視する画面での指標の見やすさを必ず確認しましょう。
5. サポート体制
特にBIツールを初めて導入する場合は、ベンダーのサポートに頼る場面が多く出てきます。
導入時のデータ移行やシステム連携、操作講習に加え、運用中に出てきた疑問や不具合などに対応してもらえるかどうか、また対応手段はメールやチャットなのか、電話、対面でもコミュニケーションが取れるかどうか、サポートの充実度をチェックしましょう。
まとめ
BIツールの選び方を5つの観点からご紹介しました。
実際に導入してから、全然使いこなせなかった、効果が出なかったということになれば、導入にかけた時間的・金銭的コストが無駄になってしまいます。
これから初めてBIツールを導入しようという企業様はもちろん、導入したが使いこなせなかったのでリプレースしようと検討されている企業様も、ぜひ上記でお伝えしたポイントを軸に、慎重にBIツールの選定を行ってください。