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ビッグデータがバズワードだった頃を過ぎ、データを業務に活用する「データドリブン〇〇」といった手法も徐々に浸透してきました。経営や業務における判断材料としてデータを活用することは、今や当たり前になりつつあります。
こうした時代背景を受けて、BIツールの導入も広がりを見せています。

本コラムでは、BIツール未導入の企業様へ向けて、BIツールを導入・活用する目的や活用方法、活用のポイントをまとめてご紹介いたします。導入検討の参考にしていただければ幸いです。

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1.BIツールを導入・活用する目的

従来、経営や業務における意思決定は、勘や経験といったあやふやなものを根拠に行われることが少なくありませんでした。
この時、根拠となるデータに基づいて判断できれば、より客観的で合理的な決断ができるようになると期待できます。

そこで活用したいのがBIツールです。
BIツールを導入・活用することで、収集・蓄積したデータの集計・分析から可視化まで、膨大なデータを、経営層や現場の社員が楽に扱えるようになります。
BIツールで具体的にできることについては、次章でご紹介します。

2.BIツールでできること

BIツールできることは、大きく「データの可視化」「データの集計とレポート作成」「データの分析」「シミュレーション」「データマイニング」の5つあります。

1. データの可視化

BIツールにはダッシュボード機能が付いており、データを簡単に可視化することができます。
ダッシュボード機能とは、データを集計表やグラフ、ヒートマップといった形で可視化し、一画面にまとめて表示してくれる機能で、これだけを担うダッシュボードツールも存在します。

データを可視化することで、理解しづらい数字の羅列からデータが示す傾向や特徴を一目で把握できるようになります。

2. データの分析

BIツールの最重要機能ともいえる分析機能を使ってデータの分析が行えます。
財務分析や売上分析、人事データ分析といった個別のデータ分析から、それらを総合した経営分析、また、複数の異なるデータを横断し、OLAP分析(Online Analytical Processing/オンライン分析処理)を中心とする分析方法で、問題点の要因究明など、複雑な分析を素早く行うことができます。

3. データマイニング

データマイニング(Data Mining)はデータ分析の一部ともいえますが、日本語では「データを採掘する」という意味で、クロス分析、相関分析、回帰分析などの分析手法を用いて、人では気づかないような価値のある相関性を見つけ出すことです。

データマイニングによって得られた法則性や相関性から、新たなビジネスや商材の開発、課題解決などが可能になります。

4. データの集計とレポート作成

BIツールのレポーティング機能を活用することで、データの集計とレポート作成が簡単に行えます。

日報や週報、月報といった定型レポートについては、あらかじめ項目や集計方法、グラフなどを設定しておくと、指示通りにレポート出力してくれるため、レポート作成業務を自動化できます。
非定型レポートについても、ドラッグアンドドロップで簡単にグラフ作成が可能なため、レポート作成の業務負荷を軽減してくれます。

5. シミュレーション、プランニング

BIツールのプランニング(シミュレーション)機能を活用することで、将来を予測することができます。これにより、条件を変えてのシミュレーションや、予測に基づくプランニングが可能になります。

たとえば、予算計画を作成する際に、過去の実績データからシミュレーションを行い、それを計画の根拠として作成するといったことが可能になります。

3.BIツールの活用方法

上記のようなBIツールの機能(できること)を活用すれば、以下のような活用が可能になります。

1. 予実分析で経営判断のスピードを向上

BIツールを活用して、作成した予算(目標)に対する実際の利益がどうなったか(実績)を分析する「予実分析」を行います。BIツールの予実分析では、達成率や予実差だけでなく、過去の予算や実績の推移の表示も可能です。そのほか、部門別や担当者別、顧客別など、さまざまな切り口から分析できるため、スピーディな経営判断を助けてくれます。
予算管理システムなどと組み合わせることで、よりタイムラグのない実績データを反映させられます。

2. 在庫分析でロスや機会損失を回避

BIツールに在庫の数や回転率、粗利率などを自動収集するように設定しておき、在庫状況をリアルタイムで把握できるようにしておけば、在庫管理で発生しがちな過剰在庫や欠品による機会損失を回避できます。
また、製品別や月別、店舗別といったさまざまな切り口からの分析も容易に行えます。

3. OLAP分析やデータマイニングで新たなマーケティング施策を立案

上の「データマイニング」でお伝えしたように、データマイニングとは、膨大なデータの中から有益な法則性・相関性などを見つけ出すことです。

BIツールを活用して、マーケティングデータや購買データ、顧客データなどからデータマイニングを行い、得られた示唆を元に、新たなマーケティング施策を立案します。
たとえば、Web広告を出稿する際のターゲティングやクリエイティブの方向性決めに活用したり、一見すると関連性のない商品でも興味のありそうなものをレコメンドしたりといったことが可能になるでしょう。

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4.BIツールを活用する際のポイント

最後に、BIツールを活用する際のポイントについてご紹介します。

1. スモールスタートでクイックウィンを目指す

「BIツールでできること」でご紹介したように、BIツールを活用することでさまざまなことが行えますが、BIツールを初めて導入する場合、いきなりあれもこれも取り組もうとすると大きな負担がかかります。

まずは、取りかかりやすいハードルの低いところから小さくスタートし、導入の初期段階で小さな成功体験を作り、良い感触を得たらスケールアウトするのが良いでしょう。

2. ドリルダウン/ドリルアップから活用をスタートする

ドリルダウンとは、階層構造のデータを上から下に掘り下げていくようにデータを確認していく手法のこと、ドリルアップは逆に、階層構造のデータを下から上にのぼるようにデータを分析する手法です。

ドリルダウン/ドリルアップは、BIツールの代表的な機能である「OLAP分析機能(多次元分析機能)」を活用して実施するもので、業績の向上・悪化の原因や、売れ筋商品の顧客が誰か、逆に購入していない層はどこかといった、集計結果に関連して気になる内訳を解析できます。

ドリルダウン/ドリルアップから活用を進めることで、初心者でもBIツールの有用性を実感しやすく、社内の理解を得やすいでしょう。

3. 同じデータを角度を変えて分析してみる

BIツールに慣れてきたら、同じデータを複数の分析方法で分析してみましょう。
データそのものは同じものでも、角度を変えて見てみることで、新たな気づきが得られるためです。
また、一つの分析方法だけよりも複数の分析方法を組み合わせた方が、知りたい事柄を浮かび上がらせることができます。

まとめ

BIツールでできることや活用のポイントについてご紹介しました。
BIツールを活用することで、自社の財産ともいえるデータを有効活用できるようになります。特に、経営や業務上で判断しなければならないシーンで、根拠となるデータを元に決断を下せるようになると、社員への説得力も増すでしょう。

社内にある程度のデータを保有しながら、まだBIツールを導入していない企業様は、ぜひ前向きに導入を検討してみてください。

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