BIツールとは ~導入までに知っておきたい知識まとめ~
目次
ビッグデータやデータドリブンといった言葉が身近になり、企業が経営にデータを活用することが当たり前の時代になりました。
企業内に蓄積されたデータを集約して示唆を得、経営上の意思決定に活用することをビジネスインテリジェンス(BI)とよび、その手助けをしてくれるツールをBIツールといいます。導入を検討している企業様も多いことでしょう。
本コラムでは、BIツールの機能や活用シーン、メリット・デメリットなど、導入までに知っておきたい知識をまとめてご紹介します。
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1.BIツールとは
BIツールとは、社内外に蓄積されたデータを抽出したり加工したりするためのシステムのことです。
従来は、収集したデータをデータウェアハウス(DWH)やデータマートなどに保管し、データサイエンティストが加工・分析を行って可視化したりレポートなどを作成したりしてから、経営層などデータの活用者に渡していましたが、BIツールがあれば、経営層などが直接、操作してこれらのデータ活用が行えるようになります。ビッグデータの活用に最適なツールといえます。
このため、BIツールはリアルタイム性が高く、データの収集から活用までの時差を短縮できます。特に「リアルタイムBI」とよばれる、リアルタイムに分析できることを売りにしたBIツールなら、最新のデータから示唆を得た上で 、意思決定に活かすことができます。
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2.BIツールが注目される理由
BIツールが注目されている背景として、まず「情報(データ)」の価値が認知されたことが挙げられます。たとえば、経営資源といえばかつては「ヒト・モノ・カネ」の3つでしたが、近年ではここに「情報」「時間」といった無形財産が加えられるようになりました。
とはいえ、データを分析して業務改善などにつなげる取り組みは、製造業や金融業などを中心に早くから行われてきました。業界を問わず、データが重要視されるようになったのは、データを生成・収集できるインフラが整ってきたことも背景の一つです。
企業、教育機関、行政それぞれにICTが浸透し、さまざまな場面で常にデータが生成される状態になり、またそれらを収集できるツールも充実してきたことから、データの利活用がしやすい環境が整ってきました。
2010年頃からは「ビッグデータ」の存在感が増します。既存のデジタルツールでは種類的にも量的にも扱い切れないビッグデータを収集・可視化・加工・分析するために、求められるようになったのがBIツールなのです。
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BIツールが登場する以前から、データを経営に活用したいというニーズは高く、ビジネスや自然現象において測定した数値を、データとして効率的に活用するためにコンピュータが生まれました。
メインフレ-ム、オフコン、パソコンと変遷していく中でデータ分析の分野でもさまざまなアプローチ方法が試され、MIS(Management Information System/経営情報システム)が生まれました。さらに、MISが派生する形でDSS(Decision Support System/意思決定支援システム)やSIS(Strategic uses of Information System/戦略情報システム)が登場しました。
ただ、これらは「分析のためのデータ抽出や加工に時間がかかる」「分析専用の端末がない」といった欠点を抱えていたため、データ分析ツールとして実用的であるとはいえませんでした。
BIの概念を初めて提唱したのは、1958年、米国IBM社のエンジニアだったハンズ・ピーター・ルーン(Hans Peter Luhn)氏であり、1989年に米国の調査会社ガートナー社のアナリストであるハワード・ドレスナー(Howard DreSner)氏が現在の概念である「専門家でなくてもデータを活用して意思決定の質を高められる仕掛け」として整理したといわれています。
このBIの概念を実現するための技術であるEUC(End User Computing)が1980年代後半に、DWH(Data Ware House)が1990年代に登場しました。特に、DWHは現在のBIツールに近いもので、企業内に蓄えられたデータを素早く分析することが可能になりました。
しかしながら、DWHで使用するデータを取得する際にSQL(関係データベース管理システムにおいて、データの操作や定義を行うためのデータベース言語)の知識が求められたため、誰もが簡単にハイレベルなデータ分析を行えるようなBIツールが開発されました。
4.BIツールとExcelの違いとは
データをExcelで可視化したり分析したりしている企業もあるでしょう。
では、BIツールとExcelの決定的な違いとは何でしょうか?
Excelはあくまでも表計算ソフトで、機能の一部としてデータの集計や可視化、分析機能が付いているのみです。そのため、BIツールなら可能でもExcelでは実現できないことがあります。
たとえば、Excelはビッグデータの分析には向いていません。Excelの1ワークシートで扱える上限は、Excel2010で104万8,576行×1万6,384列までのデータです。この範囲内のデータであっても、データ量が増えると、ファイルを開いたり保存したり する際に時間がかかるなど、動作が不安定になる傾向があります。
また、Excelでは、ワークシート(スプレッドシート)やCSVファイル以外の形式のデータは扱うことができません。
一方、BIツールなら、Excel、CSVファイルなどの電子ファイルはもちろん、リレーショナルデータベースやNoSQLデータベースに蓄積されたデータ、SaaS上のデータまで、さまざまな形式に対応しているものがあります。
ほかにも、Excelでは視覚化する際も表示できるグラフが限られていますし、細かい管理権限を設定することができないなど、制限があります。
特にビッグデータを扱う場合は、Excelではなくデータ分析に特化したBIツールを利用する必要があります。
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5.BIツールの活用シーン
近年では、手頃な料金でBIツールを導入できるようになってきました。BIツールを活用すると、具体的にどのようなことができるのでしょうか?ここでは、活用シーンを部門別に四つご紹介します。
【シーン1】経営・財務分析
もともとBIツールは、データを経営に活用したいというニーズから生まれたものであり、経営判断に必要な売上高、経常利益率、損益分岐点、ROI(投資利益率)といった指標をリアルタイムで把握することができます。
また、売上予測をシミュレーションすることも可能です。為替レートの上下や天候不良、価格設定の変更などといったさまざまな条件を変更して複数パターンでの売上を予測した上で比較し、グラフ表示することも容易です。
予算管理や予算編成を行う際のデータ分析でもBIツールが活用できます。過去の予算と収支をグラフ化して比較したり、ある期間の予算や収支を、製品別、事業別などさまざまな角度から分析したりすることもスピーディに行えます。
【シーン2】営業・売上の分析
経営を大きく左右する売上をつくる営業部門でもBIツールが活用できます。
売上の推移など、売上データの分析を始め、それまではベテラン営業マンの勘や経験に基づいて立てられていた営業戦略も、データを基に客観的で非属人的に行えるようになります。
また、営業部門以外にある社内データや、社外から持ってきたデータと併せて複合的に分析することで、それまで気づかなかった「売上に影響を与えている要素」の発見に繋げることもできます。
【シーン3】市場分析
マーケティング部門でもBIツールを活用することができます。
たとえば、人口の増減率を地図上でヒートマップ表示したり、店舗ごとの来店者数や販売額を予測したり、キャンペーンの効果測定を行ったり、Webサイトへのアクセスログをその他のデータと突き合わせてアクセスアップのための施策を検討したりといった活用方法があります。
【シーン4】労務・人事分析
残業時間の可視化、職種や部門別の従業員数・勤続年数、経験年数や勤続年数と給与の相関性、部門別の平均有給休暇取得日数などの把握もBIツールを活用して行うことができ、労務・人事部門でのデータ分析をアシストしてくれます。
6.BIツールのメリット・デメリット
BIツールを導入することで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?逆にデメリットとなることはないのでしょうか?
ここでは、BIツールの代表的なメリットとデメリットをご紹介します。
【メリット1】データの集計業務を圧縮できる
生産データや売上データ、顧客データといったデータ類の集計業務は日常的に発生します。慣れたルーティーンワークとはいえ、集計した結果をグラフ化したり報告書の形式にまとめたりする作業は手間と時間がかかるものです。BIツールのレポーティング機能を使えば、こうした一連の作業を自動化することができます。定形レポートを設定しておけば、ダッシュボードを開くだけでその時の集計がリアルタイムで反映されます。働き方改革が叫ばれるなか、残業時間削減にも貢献してくれるでしょう。
【メリット2】専門知識がなくても高度なデータ活用が可能
本来なら、データを分析し読み解けるスキル・知識を持ったデータサイエンティストでなければ扱えなかったビッグデータを、誰でも手軽に集計したり可視化したりして業務に活用できるようにしたのがBIツールです。
集計やグラフ化だけでなく、データマイニング(今まで知られていなかったが、役立つ可能性があり、自明でない情報をデータから抽出すること)などの高度な活用が可能になります。
【メリット3】容易にデータを統合&可視化できる
社内外のさまざまなところで生成・蓄積されているデータを横断して活用するには、データを一堂に集めて統合する必要があります。しかし、データ形式やファイル形式のバラバラなデータを人手で統合するのは手間も時間もかかり、ミスも起こりやすくなります。BIツールを活用すれば、複数データを統合して横断的に分析し、スピーディに可視化できるようになります。
特に、それまで関連性や法則を見出せなかったデータ同士を結び付け、グラフなどのわかりやすい形で表示してくれる点は大きなメリットです。
【メリット4】リアルタイムでデータを把握できる
データベースから手動でデータを取得して加工・集計を行うと、どうしてもタイムラグが生じてしまいますが、BIツールを使用すれば、データベース内の最新のデータを参照して可視化したりレポーティングしたりできるため、リアルタイムでのデータの把握が可能となります。また、異常値が出た際にアラートを挙げて通知する設定を行うことで、リアルタイムな監視も行えます。
一方、デメリットも見てみましょう。
【デメリット1】初期設定に手間がかかる
一つ目は、導入後、初期設定に手間がかかる点です。
まず、もともと社内でバラバラに蓄積していたデータをすべてCVS形式などで抽出する必要があります。そのうえで、BIツール用のデータベース用に加工する工程が必要です。BIツールでは、Excelでいう列や行で定義されるデータベースとは異なり、多面的な分析を可能にするために立方体(キューブ)構造をとっているため、これに合わせた形に加工するのです。これには、専門知識やスキルが求められるため、ベンダーと情報システム部門が協力して行うことになるでしょう。さらに、ダッシュボードの設定も必要です。定型レポートや異常時のアラート設定など、現場の担当者も協力しながら設定していくことになります。実運用に当たり、責任や役割に応じた権限設定も必要です。
【デメリット2】金銭コストや学習コストがかかる
もう一つは、BIツール導入の金銭コスト(初期費用・ランニングコスト)や、導入後、使いこなせるようになるまでに学習コストがかかる点です。
金銭コストは、製品により料金体系が異なり、初期費用がかからないケースや、利用人数が増えるとコストも上がる場合などがあり、自社に合った料金体系であるかどうかを導入前にチェックする必要性が出てくるでしょう。
※関連記事:BIツール導入後の失敗例と失敗しない為の事前準備
7.BIツールの機能
では、BIツールにはどのような機能があるのか見ていきましょう。主な機能をご紹介します。
【機能1】ダッシュボード機能
BIツールのもっとも重要な機能の一つが、可視化してくれる「ダッシュボード機能」です。
データ活用における「ダッシュボード」とは、グラフや集計表、ヒートマップなどを一画面にまとめて表示したものです。
もともと、ダッシュボードとは、自動車や飛行機の運転席正面にあるスピードメーターやタコメーター、燃料計、距離計など走行に必要な情報を示す計器類が集められた部分のことで、これが転じて、データ活用に必要な情報がわかりやすく一まとまりに表示された画面を指す言葉として使われています。
データ(数値)を見るよりも直観的に理解できる表示となっている点、目的に応じて必要なデータを追加表示できる点が特徴です。
【機能2】データ分析機能
もう一つ、BIツールの重要な機能が「データ分析機能」です。
複数の異なるデータを横断して分析することは、BIツールなしには困難でしょう。
特に、OLAP分析(Online Analytical Processing/オンライン分析処理)がBIツールの強みで、ある問題点について分析し、その結果に至った要因がどこにあるかを調査するなど、複雑な分析を素早く行えます。
【機能3】レポーティング機能
BIツールの導入により圧縮できるのがデータの集計業務とレポート作成業務でしょう。BIツールの「レポーティング機能」が代行してくれるからです。
特に、日報や週報、月報などの定型レポートに関しては、あらかじめ設定を行っておけば自動でレポート出力を行い、さまざまなファイル形式でのエクスポートすることが可能です。
非定型レポートに関しても、データをドロップするだけで簡単にグラフ作成が行えるなど、業務の負荷を軽減してくれます。
【機能4】プランニング(シミュレーション)機能
BIツールは、過去のデータを活用して、売上予測や需要予測といったさまざまなシミュレーションを行う機能を備えています。条件を変更して複数作成したシミュレーション同士を比較することも可能です。
このシミュレーションが、来期の予算編成などをプランニングする際に根拠として役立ちます。
また、プランニング機能が導き出した計画をレコメンドとして利用することができます。
【機能5】データマイニング機能
データマイニング機能とは、複数の異なるデータのなかから統計学やパターン認識、人工知能(AI)などを駆使して相関性や法則性を探し出し、新たな発見を導き出す機能です。
人手ではなかなか得られないものであるため、課題解決や新規ビジネスの創出においてBIツールに期待が寄せられている分野です。
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8.BIツールおすすめ5選
上記のようなさまざまな機能を有したBIツールが各社からリリースされています。数が増えてきたため、自社が求める機能や特徴、価格と見合ったツールを選ぶのも困難になってきている状況です。
ここでは、おすすめのBIツールをご紹介いたします。
DaTaSutudio@WEB(データスタジオ アット ウェブ)
DaTaSutudio@WEB(データスタジオ アット ウェブ)も国産のBIツールで、日本企業が日々の業務や分析、レポーティングで利用することが想定され、設計されています。
こちらも、Webブラウザで操作でき、データの知見は求められません。データの一覧表示やグループ集計、クロス集計、ドリルダウン、スライス&ダイス、ソートなどのOLAP機能や、レポート機能が搭載されています。
導入がスピーディに行えるのもDaTaSutudio@WEBの特長で、導入時のデータベース定義や運用開始後の設定変更もわずか3 ステップで完了します。
また、ユーザーやグループごとに参照権限を設定できたり、「誰がいつ何を参照した」というログ機能があるほか、メール通知によるログイン承認機能でなりすましを防止するなど、セキュリティ面も強化されています。
詳細については、下記ページよりダウンロードください。
Tableau(タブロー)
Tableau(タブロー)は、米国発のデータ可視化ツールです。SQLなどデータベースやデータ分析の専門知識なしでデータを可視化できます。
デザイン性に優れたグラフを、ドラッグアンドドロップとクリックにより簡単に作成でき、視覚情報からの素早い分析が可能になります。ダッシュボードやサーバーのカスタマイズも可能です。
ユーザー同士のコミュニケーションが活発なのもTableauの特徴の一つで、コミュニティの種類も「Tableau Public」「Tableau Community Forums」など複数あり、世界で100万人以上のメンバーがコミュニティに参加しています。
法人向けプランは、ダッシュボード機能中心の「Tableau Viewer」が1万8,000円(1ユーザー当たり・年額)、セルフサービス分析が可能な「Tableau Explorer」が5万1,000円(同上)、データソースの設計からデータクリーニングも行える「Tableau Creator」が10万2,000円(同上)など用意されています。無料トライアルもあります。
※上記金額は「Tableau Server」で提供されるオンプレミスまたはパブリッククラウドの場合です。
Oracle BI(オラクル ビーアイ)
Oracle BI(オラクル ビーアイ)は、データベースで世界トップシェアを持つOracle社が提供するBIツールです。
こちらも、特にデータの専門知識がなくても、直観的にドラッグアンドドロップとクリックでデータを可視化したり共有したりできるセルフサービスBIです。シンプルに使うこともできるし、多彩な機能を使って非定型分析などを行うことも可能です。ナビゲーションが充実しているため、慣れない人でも迷わず操作できます。
また、Data Visualization Desktop(DVD)を使えば、オフラインで分析を行うこともできます。
マルチデバイス対応でモバイルからも閲覧可能。どのデバイスで見ても画面に統一感があり、情報をスムーズに得られます。
料金については、要問い合わせ。無料トライアルが用意されています。
LaKeel BI(ラキール ビーアイ)
LaKeel LaKeel BIは、国産のBIツールで、こちらもデータの専門知識やスキルを持たずとも、データの抽出や分析、加工が行えるセルフサービスBIです。
LaKeel BIの特長として、経営分析や人事定量分析といったさまざまなテンプレートが用意されている点が挙げられます。テンプレートを活用すれば、必要なデータをセットするだけですぐにデータの分析が行えます。このテンプレートは、順次追加されています。
また、操作感覚がExcelに近づけられている点も特長で、これまでExcelでデータ分析を行ってきたという企業にとって、BIツールへの切り替えハードルが下がりそうです。エントリー向けのBIツールといえます。導入前後のサポートの充実をうたっている点からもBIツール初心者に適した製品です。
料金については、要問い合わせ。製品体験無料セミナーへ出席でトライアルが可能です。
Actionista!(アクショニスタ)
Actionista!(アクショニスタ)は、ソフトウェア開発の株式会社ジャストシステムが開発・提供する国産のBIツールです。
操作がWebブラウザ上で完結するため、開発環境や専用クライアントの導入が不要です。
また、企業での活用が想定される一般的な集計方法がプリセットされているため、関数やスクリプトの知識がなくても分析軸と値をドラッグアンドドロップするだけで集計表を作成できます。
料金は要問い合わせ。ただ、料金体系は、1ライセンスでユーザーを自由に追加できるサーバーライセンス方式です。このため、たとえば全社的に利用するなど大人数での利用に適しているといえます。無料トライアルでは、専任の担当者に操作方法をレクチャーしてくれます。
9.BIツールを選ぶ際のポイント
最後に、上記のような数あるBIツールの中から、自社に合ったものを選ぶためのポイントを5点、ご紹介いたします。
1.目的に合ったツールを選ぶ
BIツールに限った話ではありませんが、ITツールや制度など、何か新しいものを社内に導入する際に共通するのが、目的を明らかにしてから取り組むことの重要性です。目的が明確になっていなければ、導入の過程で判断にブレが生じたり、導入後、社内にうまく浸透させられずに活用されなくなったり、正しく効果測定できなかったりなど、かけた時間コスト・金銭コストが最終的に無駄なものとなってしまいかねません。
BIツールには共通して、ダッシュボード機能やレポート機能、分析機能などが付いていますが、細かな仕様が異なるため、それぞれ実現できることも変わってきます。自社でBIツールを導入する目的、データ活用によって何を成し遂げたいのかを明らかにしておくことで、それを実現できるBIツールを選定することができます。
2.分析したいデータに対応しているツールを選ぶ
多くのBIツールが複数のデータ形式に対応しており、本格的なものでは数値、テキスト、画像など、さまざまなデータの種類を扱えますが、無料ツールや簡易的なBIツールではMySQL(Webシステムなどで使われているデータベース)に対応していないなど、一部のデータしか扱えないことがあります。
また、オンプレミス上のデータは収集できるがSaaS上のデータはできないなど、データを格納している環境によってもBIツールごとに対応可否が異なるため、自社で蓄積しているデータの種類や格納場所とマッチしたものを選定しましょう。
3.自社の人材のスキルに合ったツールを選ぶ
「1.目的に合ったツールを選ぶ 」でお伝えしたように、BIツール選びではまず目的を実現できる機能・仕様を備えていることが大前提です。
その上で、自社スタッフが使いこなせるツールを選ぶ必要があります。
BIツールには、何でもできる大規模ツールで、その分さまざまな設定が必要でデータベースやプログラミングのスキルが求められるタイプから、できることは限られているがデータベースやプログラミングの知識がなくても利用できるセルフサービスBIまであります。
現状の人材で扱えるツールを選ぶほか、新たにデータサイエンティストなどを採用するという選択肢もあります。
併せて、データ活用の体制をどのように作っていくかも検討しましょう。想定される人数規模によって、たとえば、複数人で同時ログインして作業できるか、アクセスや編集などの権限設定が行えるかといった点を確認する必要が出てきます。
4.データの見やすさを確認してから選ぶ
vBIツールのほぼすべてにダッシュボード機能が付いており、データを可視化できます。
もちろん、どのBIツールも見やすさを重視してダッシュボードが設計されているでしょう。
ただ、自社にとっての見やすさは、導入の目的などによって異なるため、実際の画面やカスタマイズの可否を確認する必要があります。
※関連記事:BIツールとExcelの違いを解説
5.サポート体制の充実度を確認する
疑問点や不具合が出た際に対応してもらえるサポートが、電話なのかチャットやメールなのか、場合によっては訪問して対面によるサポートもしてもらえるのかなど、サポート体制も確認の上、自社に必要なサポートが受けられそうなBIツールを選びます。
サポート料金についても確認しましょう。BIツールによって、サポートが料金に組み込まれているものと、別に契約が必要なものがあります。
※関連記事:BIツールの選び方
まとめ
BIツールの進化と未来
2020年3月現在でも上記でご紹介したようにさまざまな機能を持ち、導入メリットの大きなBIツールですが、次の局面としてAIの搭載が進行し始めています。
ともにビッグデータの分析に用いられているAIとBIを融合することで、より人手を介さずに高度なデータ分析や予測が可能になっていくでしょう。
未来のBIツールは、さらなる発展を遂げていくことになりそうです。