導入事例

データ流通ビジネスからリテールメディアへ

DTS DataManagement Solutionで大きく広がったビジネスチャンス
東芝テック株式会社様



東芝テック株式会社様
東芝テック株式会社は、「ともにつくる、つぎをつくる。~いつでもどこでもお客様とともに~」を経営理念とし、流通小売業界やオフィスなどさまざまなワークプレイスにおける働き方改革を、グローバルに、現場主義に徹して支援しています。世界はいま、廃棄ロスやCO2の増加、人手不足や働き方改革といった社会課題に直面しています。同社はグローバルに展開する拠点網やサービス体制を駆使し、お客様やパートナーと新たな価値や社会課題解決のソリューションを共創する「グローバルトップのソリューションパートナー」になることを目指しています。

POSレジのシェアNo.1メーカーとして知られている東芝テック社は、スマートレシートやテッククーポンデリなどのデータ活用サービス(DATA SOLUTION)も提供しています。そのDATA SOLUTIONにおける新たな取り組み(データ流通サービス)を支えているのがDTS DataManagement Solutionです。
今回は導入時からのご担当者にインタビューのお時間をいただき、選定の決め手や具体的な運用方法、今後の展望などについて伺いました。

東芝テック株式会社
リテール・ソリューション事業本部 データビジネスセンター
長柄 友輝雄 様 (データビジネス企画推進室 リテールメディア事業企画推進担当 スペシャリスト)
加藤 豊大 様 (データビジネス営業推進室 カスタマーサクセス運営担当)
仲上 新平 様 (データビジネス営業推進室 データサービス営業担当)

左から仲上様、長柄様、加藤様

【導入背景】 まずは市場の反応を知りたかった

最初はどのような経緯でDTSにお声がけいただいたのでしょう?

長柄様:
ある時、レシートクーポンシステムであるテッククーポンデリなど様々な方法で集めた小売業データを活用して、データビジネスに繋げられないか?という新たな構想が生まれ、プロジェクトを進めるにあたり頭に浮かんだのがDTSさんでした。量販店向け顧客管理システムで、一緒にお取組みをする間柄でしたし、DTSさんの知見を活かして、データビジネス分野の取り組みをサポートしていただけるのではないか?と思ったからです。

DTSからの提案はどのようなものでしたか?

長柄様:
Snowflakeデータマーケットプレイスを活用して、まずは市場の様子をうかがってみては?というものでした。データを販売するとなると、通常は専用サイトを立ち上げる必要があるのですが、立ち上げにはかなりの費用と時間がかかります。しかしSnowflakeデータマーケットプレイスを活用すれば、すでにデータ販売市場が存在し、すぐにデータを販売することができるとご提案いただきました。テッククーポンデリなど当社のソリューションで発生したデータを、リアルタイムで蓄積し、統計加工して外部販売できるチャネルを探していたので、まさに求めていた提案でした。

【選定理由】 提案から即決!その決め手は?

ご提案から決定、導入まで、かなり速いスピードで進んだとか。即決の決め手は何でしたか?

長柄様:
「とにかく販売してみたい!市場の反応をうかがってみたい!」という気持ちがとても強かったのです。 Snowflakeのご提案で、スピーディーに新規事業を進めることができました。Snowflakeデータマーケットプレイスの国内データサプライヤーはまだまだ少なかったのですが、データ販売、データ交換市場がこれから生み出されていく、という期待感を感じたことも背中を押された理由です。

【導入の経過】POSデータとSnowflakeの特性をどうすり合わせるのか?

初めて使うSnowflake。導入に際して、困難もあったのではないでしょうか?

長柄様:
そうですね。小売り店舗によってデータの量やパラメーターが少しずつ異なるので、それをどのように統一して統計加工をかけて、ご提供できる状態にするのか?ということが最初の課題でした。またリアルタイムに発生するPOSの取引データは、1ファイルのサイズが小さく発生数が多いという特徴があります。Snowflakeの特性上、小さなファイルの大量取り込みを行うとクレジットコストがかさむという問題がありました。費用対効果をどう調整するのか?ということも大きな課題でした。

その課題をどのように克服されたのでしょうか?

長柄様:
データの統一については、例外処理を決めて必要なデータを正しく取得できるようにしました。小さいファイルを大量に取り込む作業については、弊社の社内システムでファイルを30分単位でまとめるように変更し、コストを抑えました。ある程度のリアルタイム性を持たせつつ、費用面も考慮して現実的な解決法へ導くよう、DTSさんが逐一対応策を考えてくださり、実装もお手伝いいただきました。

【現在の運用と評価】データ流通ビジネスの先駆者として

そのような課題を乗り越えてのローンチ。Snowflakeの導入により、どのような変化がありましたか?

長柄様:
東芝テックがSnowflakeという新たなツールを活用している、と知った複数の企業様よりお問合せをいただき、弊社データ流通ビジネスの取り組み認知度も上がりました。そしてPoCではあるものの、1件外部企業にデータ提供を実施することもできました。また副次的な効果として、蓄積したデータを活用した新たな取り組みが弊社内に広がっています。

加藤様:
お客様との取り組みの中で、テッククーポンデリを活用した新たなサービスの企画・提案にDTS DataManagement Solutionを役立てています。例えば、データを分析して特定のジャンルの商品を買っていないお客様にクーポンを発行するサービスの検討です。このターゲティング作業に、蓄積したお客様の購買データを活用しています。また、レシートクーポンサービスに不具合があって、状況を確認したい場合に、これまでは別部門に問い合わせて後日確認、とタイムラグがあったのですが、リアルタイムで対応できるようになりました。

仲上様:
私は新規サービスとして、テッククーポンデリを利用して塾やフィットネスクラブなど流通小売業以外の広告をレシートに出す、というご提案をしています。その広告ターゲットを定めるためにデータを活用しています。ターゲットのお客様が全体の何パーセントおり、そこに向けて広告クーポンを出しませんか?といったデータに基づくご提案ができるようになり、より質の高い提案が可能になったと感じています。また、広告提案の商談の場で数字に関するご質問があった際に、データをその場で表示し、スピーディーに対応できるようになりました。

長柄様:
レシートクーポンの仕組みは、Snowflakeに入ってくるデータの収集源です。私は収集したデータを統計加工して販売することを担当していますが、加藤さん、仲上さんは小売りのお客様に対してレシートクーポンそのものの価値を高め、より活用していただくという仕事をしています。検討段階では全く想定していなかったのですが、社内外両方向の活動でDTS DataManagement Solutionを役立てることが出来ています。

【今後の展望】レポート機能を強化、リテールメディアを新基軸に

今後はDTS DataManagement Solutionをどのように活用していきたいですか?

長柄様:
これまでは、収集した小売業のデータをどのようにサプライチェーンの上流(メーカーや卸)に流していくか?というデータ流通がビジネス検討の中心だったのですが、店舗内の広告やクーポンなどのリテールメディアにビジネス検討の軸が移りつつあります。リテールメディアではこれまでとは異なるデータ操作が必要になりますので、Snowflakeにはこれまで通りPOSデータを蓄積していく、という役割を担わせつつ、広告や販促データもインプットを行い、分析やレポーティングに活用していきたいと考えています。ここで期待しているのがGeminiot(ジェミニオ)です。リテールメディアではメディア効果の可視化や最適な発信方法の分析が重要となります。また、クーポンがどの程度発券されたのか、どのようなお客様をターゲットとしたら良いのか?というレポート制作もこれまで以上に必要となります。Geminiot(ジェミニオ)やその他ツールを活用することでデータの魅力を伝えやすくなりますので、その活用方法を学んでいきたいと思います。

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