ライセンス費用が半分、保守費用も4分の1に圧縮。
レガシーBI マイグレーションを成功させた
「データスタジオ@WEB」

レンゴー株式会社 様

レンゴー株式会社様は「データスタジオ@WEB」を導入されました。導入された背景、選定のポイント、現在の運用と評価、今後の展望について伺いましたのでご紹介します。

業種 製造業(紙加工品)
導入製品
中央発條株式会社 様

段ボール生産量国内No.1で板紙生産も最大規模を誇るレンゴーは、レガシーBIのマイグレーションに挑戦するため、戦略的情報活用・分析ツール「データスタジオ@WEB」を採 用。現場が慣れ親しんだレガシーBIの操作感を損なわず、現場本位の移行を進めた結果、マイグレーションは無事成功し、インフラ基盤の不安が解消するとともに運用コストも劇 的に削減した。

レンゴー株式会社
情報システム本部
情報システム第二部長
森口 幸浩 氏

レンゴー株式会社
情報システム本部
情報システム第二部
部長代理 兼 情報システム課長
丸橋 隆義 氏

レンゴー株式会社
情報システム本部
情報システム第二部
情報システム課 担当課長
北川 真徳 氏

レンゴー株式会社
情報システム本部
情報システム第二部
情報システム課
郡司 景介 氏

自社に合うよう使い方を工夫し、さまざまな成果をあげているところに注目です!

導入の背景

レガシーBIの継続運用の不安から 次世代BIへのマイグレーションを決意 GalleriaSolo

レンゴー株式会社(以下、レンゴー)の創業は1909年。日本で初めて段ボールの製造・販売を開始し、「段ボール」と名付けたのもレンゴーである。主要原材料である板紙から段ボール製品まで一貫生産体制を持つ他、紙器、軟包装、重包装、海外事業の6つのコアビジネスを推進、あらゆる産業の全ての包装ニーズに最適なソリューションを提案している。段ボール生産では国内トップシェア、板紙生産では国内第二位の規模を持つ。

その製紙部門の情報システムを統括しているのが情報システム本部 情報システム第二部だ。そして、国内最大規模の八潮工場を始めとするグループ内6つの製紙工場の日々の稼働を支えてきたのが、基幹業務と長年密接に連携したBI(ビジネスインテリジェンス)である。

管理部門におけるデータ集計及び分析、経営へのレポーティングはもとより、基幹システムに組み込まれたBIを業務部門自らが日常的に業務帳票作成システムとして活用するなど、帳票定義体の数は製紙部門だけでも900に及び、BIはもはや欠くことのできない業務システムとなっている。

しかし、既存のBIはいくつかの課題を抱えるようになっていたという。情報システム第二部長の森口 幸浩氏は、「2005年に導入したBIは年月を経るごとにレガシー化し、その問題解決のために2013年ごろから新たな方策を検討し始めました」と語る。

レガシー化したBI(レガシーBI)の問題は主に3つあった。1つは継続運用への不安。運用しているレガシーBIの陳腐化が進み、最新OSでのサポートが受けられず、一部の機能を制限しての運用を行う必要があった。インフラ面においても仮想化基盤を活用して延命対応は行っていたが、いずれ更新が必要な状態であった。

2つ目は保守サービスの硬直化。レンゴーでは部門ごとに最適な情報システムを採用している背景からレガシーBIも保守は個別契約となっていた。BIベンダーの方針変更により部門ごとの個別契約から法人一括契約に変わってしまったことで、部門ごとにBIの見直し機運が高まっていた。

3つ目は保守費用の負担。BIベンダーの経営主体の変更とともに保守料金設定も高騰し、BIのランニング費用の削減が大きなテーマとなっていた。

選定ポイント

基幹システムとの親和性の高さと コストの安さでデータスタジオ@WEB

「BIは工場の現場スタッフも日々ルーチンで利用する業務帳票の作成ツールでもあることから、次期BIの選択においては、単純な機能比較だけでなくレガシーBIの機能をほぼ踏襲でき、エンドユーザがあまり違和感を覚えないレベルで移行できる柔軟性と、できるだけ少ない手数で目的の帳票が出力できる運用容易性を重視しました」と森口氏は話す。

また、BIは基幹システムの一部となるため、IT監査にも対応する必要もある。開発前承認と開発後承認のエビデンスや、本番リリース前の配布前確認と配付後確認、配布前確認の内容が確実に本番環境にリリースされているかの証跡などを管理できるBIであることも重要だったという。

候補としてさまざまなツールを比較検討した結果、最終的に選択されたのは、DTSの提供する戦略的情報活用・分析ツール「データスタジオ@WEB」だった。

その決定理由について、情報システム本部 情報システム第二部 部長代理 兼 情報システム課長の丸橋 隆義氏は次のように説明する。「データスタジオ@WEBは、帳票の定型分析条件が内部データベースに保存されており、その内容を可視化できるAPIや、Visual Basicを使ったアプリから定型分析を呼び出せるAPIなどが備わっているなど、基幹システムとの親和性の高さを評価しました」

また、森口氏は、「他社BIより価格が安く、ライセンスの取得費用もレガシーBIの約半分に削減することができたほか、保守料も4分の1程度に圧縮できたので非常にメリットが大きいと感じました」と話す。

現在の運用と評価

プロトタイプ帳票評価後に本格開発着手 段階的リリースにより順調に稼動

2016年7月からデータスタジオ@WEBの導入を開始。9月までは基幹業務に組み込むデータスタジオ@WEBとの連携画面を開発すると同時に、パターンが異なる業務帳票を10本選定し、プロトタイプとして帳票開発を行った。

担当した情報システム本部 情報システム第二部情報システム課 担当課長の北川 真徳氏は、「全国の工場を回り、現場の担当者に向けてデータスタジオ@WEBの使い方の説明会を行いました。大変でしたが、それにより帳票類が違和感なく活用されることが確認でき、残りの帳票も比較的スムーズに開発可能だという確信が持てました」と当時を振り返る。

2016年10月にプロトタイプ帳票を本番環境に先行リリースし、約1ヶ月間パイロット運用での評価を行った。同時に、全体で約900本ある帳票開発を進め、2017年6月までに370本がテストに合格し、本番環境にリリースされた。現在、残りの帳票も開発を継続しており、生産性は次第に高まっているという。

今回、DTSの販売パートナーであるSI企業もプロジェクトに参加し、プロトタイプ帳票開発やリリース作業を支援した。

「販売パートナーが帳票開発のための手順書の作成や講習会開催に協力してくださったこともあり、自社で開発作業を引き継ぐにあたっては非常に助かりました。そのおかげでプロジェクト関係者全員が同じルールで帳票を作ることができました」と話すのは、情報システム本部 情報システム第二部 情報システム課の郡司 景介氏だ。手順書によって帳票管理のスキルも向上し、保守性や標準化の維持にも役立っているという。

今後の展望

セルフサービスBIの実現に向け 今後は積極的にチャレンジ

レガシーBIの機能を再現するため、データスタジオ@WEBの一部カスタマイズも行っている。例えば、完成した帳票の本番への配布はGUIではなく、開発物件の配布リストを作り、事前承認を受けた上で夜間バッチにより配布し検証するといった、内部統制に沿った配布モデルをベースに行うようにした。

また、いつ・誰が・何の帳票を使ったかを管理し、稼働統計から半年間利用のない帳票は自動的に削除候補リストへアップされるようにすることで、古い帳票が無制限に蓄積していくことを防止している。

レガシーBIからデータスタジオ@WEBへの移行による、エンドユーザからの不満はほとんどないという。丸橋氏は、「レガシーBI時代の操作感をできるだけ再現するなどエンドユーザへの円滑な定着を主眼としてプロジェクトを進めてきたことが、比較的スムーズに移行できた要因だったと考えています」との認識を示す。

一方、森口氏は、インフラ基盤の不安が解消し、安心して使い続けることができるようになったことが最も大きな成果だと語る。「まだ道半ばですが、完全移行までのゴールが見え安堵しているところです。今回のプロジェクトではプロトタイプ開発段階において帳票の再現やレスポンスの問題などがいくつか発生しましたが、国産BIならではの使いやすさや基本機能の馴染みやすさが功を奏し、また当社のアプリ開発チームも起動画面側で工夫を加えるなど努力したことで、それらの諸問題が全てクリアになりました。しかし、データスタジオ@WEB本来のBI機能を使いこなすまでにはまだ至っていないため、今後は積極的にチャレンジしたいと思っています」

その期待に応えるため、今後DTSは自由分析のためのスキルアップ講習会の開催などを計画し、セルフサービスBIの実現に向けた支援を継続していく考えだ。